大和紡績グループ

ダイワボウレーヨン株式会社

商品・開発情報

レーヨンとは?

レーヨンの特徴

ここでは、レーヨンという繊維を皆様に知っていただくために、レーヨンとはどんな特徴を持った繊維であるか、列記してみました。

今後、素材として使って見よう、と考えている方の参考になればと考えています。

化学的性質

●耐薬品性

レーヨンは、熱希酸、冷濃酸で強力が低下し分解します。また、強アルカリに膨潤し強力が低下します。レーヨン自体の通常のpHは5~6であり、弱酸性領域にあります。最近言われている「肌に優しい」pH領域の繊維です。

 

●染色性

染料には、染まりやすい染料と染まりにくい染料があります。一般的によく使われる染料は、直接染料であり、直接染料による染色では綿より発色性は良好です。
また、レーヨンは、「染色しやすい」、とか「発色性が良い」、と言われますが、比較的取り扱い易い直接染料での染色のし易さや染色後の発色性からそのように評価を受けています。

染料に対する各繊維の染色性

 

直接

染料

反応

染料

酸性

染料

分散

染料

カチオン

染料

スレン

染料

硫化

染料

ナフトール

染料

レーヨン - - -
アセテート - - - - -
綿 - - -
- - -
羊毛 - - -
ポリエステル - - - - - -
アクリル - - - -
ナイロン -

表中記号の意味は下記の通り  ○:良く染まる、△:やや染まる、-:染まらない

(出展 : 染料便覧)

レーヨンでは、主に直接染料・反応染料による染色が行われており、綿より発色性は良好です。

 

 

物理的性質

●繊維物性

他繊維との比較において、決して強い繊維と言えませんが、弱すぎることのない繊維です。
また、レーヨンは、腰のない繊維と言われることが多いのですが、逆に言えばドレープ性が良好であり、吸い付く様な風合いの繊維であります。

各繊維の物理的特性

  レーヨン アセテート ナイロン PET アクリル 綿 ウール
比重 1.50 ~ 1.52 1.32 1.14 1.38 1.14~1.17 1.54 1.33 1.32
公定水分率
(%)
11.0 6.5 4.5 0.4 2.0 8.5 11.0 15.0
乾燥引張強さ
(cN/dtex)
2.2 ~ 2.7 1.1 ~ 1.2 4.2 ~ 5.6 3.8 ~ 5.3 2.2 ~ 4.4 2.6 ~ 4.3 2.6 ~ 3.5 0.9 ~ 1.5
湿潤引張強さ
(cN/dtex)
1.2 ~ 1.8 0.6 ~ 0.8 3.7 ~ 5.2 3.8 ~ 5.3 1.8 ~ 4.0 2.9 ~ 5.6 1.9 ~ 2.5 0.67 ~ 1.44
電気抵抗性
(オーム・g/cm2)
1.4×107 5.0×1011 1.0×1012 1.0×108 5.0×108 7.0×106 5.0×109

5.0×108

(出展 : 繊維ハンドブック ・ 繊維技術データ集)

 

●水に対する特性

吸湿性については、20℃65%RHの環境で繊維が有する水分率を公定水分率と言いますが、それは、11%と合成繊維では見られない、また、天然繊維においても、ウール(15%)に次ぐ、絹(11%)と同等の水分率を示す潤いのある繊維と言えます。

吸水性は、製品形態に大きく作用されますが、繊維中に多くの水を取り込むことが可能であり、繊維の内部にも取り込むことが出来、自重の約80%の水を繊維内部に貯められます。

また、繊維断面が菊花形状をしており、毛細管の効果により繊維表面にも多くの水を取り込めま す。ただし、この特徴ゆえに、湿潤時に繊維が膨潤してしまい、そ れにより特に織布においては、洗濯後のシワ発生や乾燥後の縮みが起こる等の問題も発生してしまいます。ただし、形態安定加工や防シワ処理でこの欠点は解消できます。

逆にこの特性は、他の繊維にはあまり見られない特徴ですので、シワや縮みを利用してみようという商品も考えられます。

 

●電気的性質

他の繊維と比べると電気抵抗値が小さく、制電効果が期待出来ます。ただし、乾燥時(特に冬場)に、繊維中の水分率が低下すると急激に静電気を帯びやすい繊維になってしまいます。

また、帯電序列はウールと綿の間に位置しています。これから言うとポリエステルなどの繊維とは相性が悪いのでは、と考えられるかと思いますが、繊維自体に制電性を有しているので心配ありません。

 

●熱的挙動

  熱伝導度

レーヨンは、接触時にちょっとヒンヤリした感じ(接触冷感)がします。これは、初期の熱伝導度が大きいためであり、コットンよりヒンヤリする感覚があります。

 

  燃焼挙動

レーヨンは燃えやすい、というイメージを皆さんはお持ちと思います。しかし、レーヨンには融点がなく、使用方法によっては難燃性があります(一定空間にある一定以上の繊維を押し込むことで燃えにくくなります)。実際の火災に遭遇した場合は、そこでの発生ガスや発生する煙も評価すべき大きな要因です。
  燃焼時ガス … 燃焼ガスは、C,H,O由来の成分であり、猛毒ガスは含まれておりません。
  発煙特性 … 燃焼時に煙の発生が少ないという特徴もあります。
  焼却残渣 … 焼却後には、灰がほとんど残りません。
 

各種繊維の熱挙動

  軟化点
(℃)
融点
(℃)

分解開始温度
℃)

発火温度
(℃)
備考
レーヨン 軟化しない 溶融しない 260~300 420  
綿     340 400 120℃5Hrで黄変
150℃で分解
    235 366  
ウール     130 600 300℃で炭化
アセテート 200~230 260      
ナイロン 180 215~220   530  
アクリル 190~240 不明瞭   560  
PET 238~240 255~260   450  

(出展 : 繊維技術データ集)

 

●消臭性

あまりよく知られていませんが、実はレーヨン自体に消臭効果があります。

 

   障子紙の消臭性能について

レーヨン混とPET混の障子紙の消臭性能を調査しました。その結果、アンモニアの消臭性能は、レーヨン混の障子紙の方がPET混のものより消臭性が優れております。ホルムアルデヒドの消臭性能は、レーヨン混の方が若干優れていることが確認されました。

 

    (1) 試験体

  試験に使用した障子紙は下記の2点、いずれも市販品です。

  成分 配合比(%) 目付(g/㎡)
PET混障子紙 PET/パルプ/ビニロン 85/10/5 62.5
レーヨン混障子紙 パルプ/レーヨン/ビニロン 55/40/5 61.1

 

    (2)消臭性能評価試験

       A.対象ガス ※( )内は初期濃度
          1.アンモニア (40ppm)
          2.ホルムアルデヒド(5ppm)

       B.測定機関:財団法人日本化学繊維検査協会にて測定

 

生物的性質

●生分解性

天然に産出される木材から再生したセルロースですので、土中に放置すれば、土に還ります。しかも微生物の作用による分解ですので、地球環境に非常に優しい繊維であることが言えます。

 

レーヨン100%不織布の土中埋没による生分解性評価試験

※注意 : 本試験は微生物が関与しており、使用した土や季節により若干異なります。
家庭用生ゴミ処理機(コンポスター)による分解処理も可能です。

利便性

同じセルロースであるコットンでは、産地やその年の気候により白度や繊度繊維長が左右されますが、レーヨンは再生繊維ですので均一な製品が提供できます。